「全部の取引履歴が必要です」と言われて
前回、暗号資産の利益は日本円に戻さなくても課税されることがある、という話を書きました。そこで自分の2025年の取引を数えたら72件でした。
わたしも最初はそう思っていました。ですが、暗号資産の損益計算は「売った金額から取得した金額を引く」だけでは終わりません。同じ銘柄を何度も買い増していれば、1枚あたりいくらで手に入れたことにするか(総平均法・移動平均法など)を決めた上で、取引のたびに計算し直す必要があります。72件、手作業でやってみて、3件目で心が折れました。
そこでクリプタクトという損益計算ツールの無料プランを、実際に試してみることにしました。この記事は、その記録です。
無料ではじめる、3ステップ
登録に必要なのはメールアドレスだけでした。クレジットカードの入力は求められません。
- メールアドレスで登録する
- 使っている取引所を選ぶ
- 取引履歴を取り込む(API連携か、ファイルのアップロード)

取引所を選んで履歴を取り込む作業自体は、迷うところはありませんでした。ここまでは、すんなり進みました。
件数は、出た
取り込みが終わると、年別のサマリー画面に取引件数が表示されます。わたしの2025年はこうでした。
- 集約後:68件
- 集約前:72件
- 自動生成:5件
「集約後」と「集約前」で数字が違うのは、1分以内に同じ銘柄を同じ方向で取引すると、1つにまとめて数える仕組みがあるからです。公式のヘルプにも、料金プラン上の年間取引件数はまとめる前の件数で数える、と書かれています。積立を細かい頻度でやっているほど、この2つの数字は離れていきます。
数量は見える。でも、金額が見えない
件数が出たところまでは順調でした。ところが、サマリーの明細を開くと、様子がおかしいことに気づきます。
保有している銘柄の名前と数量は表示されています。ですが、取得単価・総売上・総仕入・実現損益のところが、灰色にぼかされていました。評価損益と評価額は「N/A」の表示です。金額に関する列だけが、そっくり隠れているのです。
常時表示される警告バナーのようなものはありません。ただ、伏せられた数字の横に小さな目のアイコンがあって、それを押すと理由が表示される仕組みになっていました。
公式の料金ページにも、同じ内容の注記があります。
Freeプランは50件を超えると、損益の計算結果は表示されません。
そして、ここにもうひとつの上限が絡んできます。Freeプランには「年間取引件数の上限 100,000件」という表示もあり、進捗バーで残りを示してくれるのですが、実際にこの計算結果を左右しているのは、その隣に小さく書かれた「計算件数の上限 50件」のほうでした。

わたしの72件を100,000件の枠に当てはめると、バーはほとんど空です。見た目だけを追っていたら、まだ全然余裕があると思ってしまいます。ですが効いているのは50件の方で、こちらはとっくに超えていました。上限が2つあって、しかも目に入りやすい方が「効いていない上限」だった——これが、分かりにくさの正体でした。
「お疲れさまでした」の一歩手前
クリプタクトには、登録から計算までの手順をチェックリストにしてくれる「アシスタント」という機能があります。わたしの進捗はこうでした。
| ステップ | 進捗 |
|---|---|
| 取引の情報を入力しましょう | 2 / 2 |
| 足りていない情報を追加しましょう | 2 / 2 |
| 計算結果を確認しましょう | 0 / 2 |
全体の進捗は「4/6ステップ」。案内には「損益結果を確認したら、計算のステップはすべて完了です」とあり、その先には「お疲れさまでした!」という一文が続いていました。

その「お疲れさまでした」の対象になるはずの損益結果が、見えない。案内はゴールの手前まで、きちんと連れて行ってくれます。最後の一歩だけが、無料の範囲の外にありました。
6,600円をどう見るか
計算結果を表示するには、プランのアップグレードが必要です。提示されたのはBasicプラン(年間取引件数の上限300件・6,600円/年)でした。上位にはPrime(2,000件・22,000円/年)やPro(10,000件〜・38,500円/年〜)もありますが、まず案内されるのはBasicだけです。

「買うべきかどうか」は、正直ここでは言えません。わたしが確認できたのは、判断に使えそうな材料だけです。
- 自分の件数を、集約前でもう一度数える。50件が分かれ目になる
- 取引所が1つで、売買の頻度も低いなら、無料の範囲に収まる可能性がある
- 複数の取引所やDeFi・NFTを触っているなら、50件は思ったより早く超える
- 公式の料金表を見る限り、AIとの連携(MCP・CLIでの利用)はFreeプランにも含まれている。この部分は損益の表示制限とは別枠のようで、別の記事で試した記録を書くつもりです
向いている人・向いていない人
| 向いている | 向いていない |
|---|---|
| 取引が年50件を超えている人 | 年に数回しか売買しない人(無料の範囲で足りるかもしれません) |
| 複数の取引所・DeFi・NFTを触っている人 | 1つの取引所だけで完結している人 |
| 手作業の計算で一度詰んだ人 | まだ口座を持っていない人 |
まだ取引所の口座を持っていない場合は、先にそちらから。Coincheck口座開設ガイド/OKJ口座開設ガイドにまとめています。
まず、自分の件数を数えるところから
今日やってみて分かったのは、6,600円を払う前に決めるべきことが1つあるということです。それは「自分の取引が何件あるか」。ここが分からないと、無料で足りるのか、有料にする価値があるのかも判断できません。
登録自体はメールアドレスだけで、クレジットカードは要りません。まずは無料のまま、自分の件数を数えるところから始めてみてください。
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情報確認日:2026-07-28
料金・上限件数・対応機能は変更されます。お申込みの前に、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
免責事項
- 暗号資産の取引は価格変動リスクを伴います。投資判断はご自身の責任でお願いします。
- 本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄・取引・サービスの推奨や、利益を保証するものではありません。
- 筆者は税理士ではありません。本記事は損益計算ツールを試した記録であり、税務相談ではありません。申告の要否や税額については、税務署または税理士にご確認ください。
- 記載内容は執筆時点(2026年7月)の情報です。料金・件数上限・対応機能は変更される場合があります。
